スペシャルマーケティング

実戦で使えなければ机上の空論です。営業やマーケティングの現場は正に「戦場」です。

ニーズの広さ深さチャート

ニーズの広さ深さチャート

ニーズの広さ深さチャート

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広さ深さをタテヨコに取ったマトリックスが、ニーズの広さ深さチャートです。

あなたの商品・サービスが「広くて深い」「広くて浅い」「狭くて深い」「狭くて浅い」という4つの象限に分けられます。

多くの商品は、「広くて浅い」か「狭くて深い」になります。

「狭くて浅い」ところはニーズが少なく生き残れません。

「広くて深い」ところは、中長期的には競合が多くなり、「狭くて深い」に特化するか、差別化が難しくなり「広くて浅い」方へ消費者の意識が流れるかのどちらかを迫られるからです。

ニーズの広さ深さ

←ニーズの深さ:上に行くほど深い 狭くて深い 広くて深い
狭くて浅い 広くて浅い
ニーズに広さ:右に行くほど広い→

ここでは、あるメルマガで実施した、ブランドへのこだわりについてのアンケート結果を教材に商品ニーズの「広さ」「深さ」を説明していきます。

メルマガの読者層は30~50代の男性が多く、男女別に分析しています。

【広さ=その商品をどれだけ多くの人が使うか】【深さ=その商品を選ぶ際に、どれだけブランドにこだわるか】を聞きました。

ただし、対象者に隔たりがありますので、解答の正確性は保証しません。

では、アルコール飲料(ビール、ウィスキー、日本酒、ワイン)のアンケート結果を元に説明していきます。

広くて深い:ビール

「広くて深い」は巨大カテゴリです。この象限に入ったのはビールでした。

広さは男性でダントツ1位。

女性でもワインとの僅差で2位です。

ビールは多くの人が飲み、かつ、ブランドへのこだわり度も高いのです。

こだわりは男女とも1位でした。

狭くて深い:ウィスキー

「狭くて深い」はニッチカテゴリです。

ここに入ったのはウィスキーです。

一番飲む人が少ないカテゴリになります。

しかし、ブランドへのこだわりは男女とも強く、男性では2位です。少数の人がこだわって飲むのです。

ニーズが狭くて深い商品は、限られた数の顧客が継続的・熱狂的に買います。

顧客がどこにいるか分かれば、ターゲットを絞った広告ができるため、大規模な広告投資はいらず、効率がよくなります。

また、価格競争に陥ることが少ないので、利益率が高くなります。

しかし、ニーズが狭いままだと売上を大きく伸ばすのは困難です。

深さを求めるマーケティングの典型的な手法は、データベースマーケティングです。

既存顧客や資料請求してきた人の住所・氏名・電話番号・メースアドレスなどを取得し、許可を得た上で定期的な接触を続け、優良顧客に特別サービスをしたり、新製品の案内をしたりする「農耕型」の手法です。

広くて浅い:ワイン

マス(大衆商品)カテゴリが「広くて浅い」の象眼です。

幅広い購買層が期待でき、それほどブランドにこだわりません。

女性では広さ1位。

男性でも2位です。

しかしニーズは浅く、ワインを買う人の半数は「お気に入りのブランドはない」と答えています。

また、巨大ブランドがそもそも存在しないという事情も汲む必要があります。

このカテゴリは、潜在顧客も多いので売りやすくありますが、その分競合も多く、ニーズが浅いためブランドスイッチが起きやすくなります。

継続的に購買してもらうためには、多額の広告投資が必要になります。

ここでとるマーケティング手法はマスマーケティングです。

多額の広告投資で多くの消費者に認知してもらい、とにかく一度買ってもらい、また次の顧客を狙っていくという「狩猟型」のマーケティングです。

多額の消費者に支えられ売上が大きくなる一方、投資額が大きいため、利益率が低くなりがちです。

ある一定レベルまで行くと飽和状態に陥り、売上が頭打ちになります。

狭くて浅い商品

ここに当てはまる商品は、あまり存在しません。

十分なニーズがなく、売れない、儲からない商品(カテゴリ)なので、自然に淘汰されるからです。

日本酒はほぼ真ん中でしたが、アンケート実施の頃と比較したら、現在は若干ここか「狭くて深い」の方になっているような気がします。

耐久消費財カテゴリの広さ深さ

参考までに、アルコール飲料と同じアンケートで実施した、耐久消費財についての結果も紹介します。

パソコンは「広くて深い」に入りました。

高い買い物ですから、ブランドの信頼性を重視するのでしょう。

逆にバッグのニーズは、男女共それほど深くありませんでした。

ヴィトンなどの有名ブランド物のバッグとパソコンは価格帯が重なりますから、価格の違いが原因ではありません。

おそらく、バッグの品質は布・皮の厚みや縫製などから買い手が判別しやすいからと思われます。

パソコンは中を開けてみても品質の善し悪しが分からないので、ブランド品を買うということでしょう。

自動車が、男性は「広くて深い」、女性は「狭くて深い」というのも、選択肢はそれほど多くありませんし、メーカーのこだわりが強いのでしょう。

アルコール飲料と耐久消費財、2つの結果から分かったことは男女の差は「広さ」に出る、ということです。

深さは近いものがありますが、広さは相当違いが出ます。

これは、深めるより広げる方が難しいことを間接的に証明します。

広さに違いがある場合、まずその差を埋めることが効率的であることを示唆しています。

例えば、男性のバッグはニーズが狭く、女性は非常に広いということは、男性用バッグはニーズを広げるチャンスがあります。

女性のようにTPOに応じてバッグを使い分けることを提案すればいいかもしれない、と考えていくことができるわけです。

ニーズを深めるのは難しい

ニーズが浅いマスブランドを、ニーズが深いブランドにしていくのは大変です。

逆に、ニーズが深いブランドを広げていく方はまだやりやすいです。

高級アイスクリームのハーゲンダッツは、250~280円のカップアイス、しかも120mlの小ささ。

当時はニッチ戦略で、効果津を求める層にターゲットを絞って販売していました。

今では大幅にニーズを広げ、新フレーバーを出すとPOSランキングでも上位に来ます。

現在は、ミニカップだけでなく「クリスピーサンド」「クレープグラッセ」なども出していますが、広さを確立したブランドがニーズを深めていくのはなかなか難しいのです。


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