スペシャルマーケティング

実戦で使えなければ机上の空論です。営業やマーケティングの現場は正に「戦場」です。

Battlefield 戦場を決める

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(1)勝ちやすい戦場を選ぶ

おいしくも安くもないのに行列ができる寿司屋

すっかり世の中に定着した回転寿司屋。1皿オール100円でネタも新鮮、カウンターの寿司屋(いわゆる「回らない寿司屋」)にも負けない味を出している所もあります。

ただし、ここで登場する回転寿司屋は、味は普通、ネタも200円~300円のものもあり、店員の態度もイマイチ。

どれをとっても一流の回転寿司屋には及びません。

しかし、夜には行列ができるほど人が来るのです。

それは何故か、戦場が違うからです。一流の回転寿司屋でも、新宿や渋谷にあるとしたら、ラーメン屋、もんじゃ焼き屋、弁当屋等々と、強力な競合店が無数にあります。

常に競争があり、なおかつ激しいのです。ですから、それほど並ばなくてもお寿司を食べることができます。

しかし、地方の郊外にある回転寿司屋では、近くに飲食店自体が少なく、回転寿司屋は1軒だけなので行列ができます。

つまり競争が少ないのです。

勝ちやすい戦場を選べば、努力の量は同じでも、得られる果実が大きく違うのです。

戦わずして勝つ

孫子の兵法にある究極の教え「戦わずして勝つ」。

非常に奥が深く、幾通りの解釈が可能ですが、その1つに「敵のいない戦場を選ぶ」というのがあります。

そうすれば戦わなくて済みます。

戦場を選んだ時点で、こちらが断然有利になるのです。

郊外の回転寿司屋は正に戦場にライバルがいないわけですから、「戦わずして勝っている」のです。

戦場はどこにある?

マーケティングの「戦場」は1つだけではなく、複数要素の切り口の組み合わせとして存在するのが通常です。

a.地域・場所

物理的な場所・地域のこと。

b.商品が置かれる棚

コンビニやスーパーなどでは、商品が置かれる棚が戦場で、隣の商品は競合となります。

c.顧客ターゲット

若年層、ファミリー層、シニア層などのターゲットによって戦い方が違ってきます。

d.競合商品・サービスの集まり

最も一般的、かつ複雑なのがこのくくりです。どの商品カテゴリで戦っているか、というのも戦場での捉え方の1つです。ここで犯しやすいミスが、例えばマクドナルドの戦場を「ハンバーガー市場」と短絡的に捉えてしまうこと。

ロッテリアやモスバーガーが競合なら間違いではありませんが、 吉野家や立ち食いそば屋を競合として捉えている場合、マクドナルドはスピード重視の店内消費をメインとする「スピーディー価格外食市場」を戦場としていることになります。

コンビニやテイクアウト弁当屋の場合は「テイクアウト中食市場」が戦場に、ファミレスの場合は「ファミリー向け外食市場」が戦場になります。

それぞれ戦い方が全く異なります。それがBASiCSの他の要素に大きな影響を与えるのです。

e.メンタルアカウンティング:心の財布

お小遣いが月5万としたら、2万円が昼食、2万円が飲み代、1万円がタバコ・雑費、などと頭の中で仕訳していませんか?

あなたの昼食代は、あらかじめ頭の中で割り振られた昼食費の中から出てくるのです。

どのように仕訳しようと5万円は5万円です。

それでもお客様は、頭の中でお金を別々の財布に割り振るのです。

例えば年末のボーナスが50万円として、【10万円:ローンの支払い 10万円:貯蓄 10万円:生活費の補填 20万円:贅沢費】などと仕訳したとします。

あなたが旅行会社で旅行を売っている場合、旅行は「贅沢費」の中から支出されます。

お客様は、「贅沢費」を使って旅行に行こうか、薄型テレビを買おうか、ガーデニング用品を買おうかなどと考えていますから、他の旅行会社だけでなくテレビやガーデニングとの競争にも勝たなければいけません。

B to C(一般顧客向けのビジネス)は、このようにメンタルアカウンティングが重要となります。

 

B to B(法人顧客対象)の場合は、費用品目がこれに相当します。例えば広告代理店、印刷会社、PR会社などは「広告費」という財布を巡って競争しているわけです。

このように、戦場には様々な定義の仕方があります。

戦場は顧客の頭の中に存在する

戦場はあなたが定義できますが、その正しさを認めるのは顧客です。

戦場は「顧客の頭の中」にあるのです。「今日のランチはどこに行こうか?

時間もお金も節約したいから、コンビニでおにぎりでも買うか。

じゃあ、ローソンかファミマ(ファミリーマート)だな」と考えた場合、お客様の選択肢はローソンかファミマです。

この、選択肢の数=戦場となります。戦場の捉え方は、あなたの意思で決められますが、認めるのはお客様ですからBASiCSの重要要素である「顧客」によって変わってきます。

つまり、BASiCSの各要素は互いに影響し合うことになるのです。

(2)戦場の選び方

戦場の選び方のチェックリストをあげてみます。

a.機会が多く、脅威が少ない戦場を選ぶ

戦場を経営用語で言い換えると「外部環境」です。

強み、弱み、市場機会、市場脅威から分析するSWOT分析にて、戦場は「市場機会」「市場脅威」となります。一言で言えば、伸びている戦場・敵が少ない戦場を選ぶということです。

b.自社の資産(Asset)・強み(Strength)を活かせる戦場を選ぶ

諸説ありますが、織田信長が「桶狭間の戦い」で選んだ戦場は、田楽挾間(桶狭間より1.5km西)でした。信長は自分がよく知っており、今川義元の大軍が動きにくい陣地を選んだわけです。

自分の強みである機動力・地の利を活かせ、相手の強みを殺せる戦場を選び、義元に打ち勝ったのです。

あなたがある戦場で最強ではない場合、真っ向勝負は避けましょう。八百屋の店主が大型スーパーに真っ向から挑んでも勝ち目はありません。

「価格」の戦場ではなく「宅配市場」を選ぶ、「昼」 の時間帯ではなく「深夜」を戦場にするなど、真っ向勝負を避けなければいけません。

戦いやすい戦場、敵のいない戦場を選ぶのです。

c.競合が参入しにくい戦場を選ぶ

「ビー・スタイル」という人材派遣会社の特徴は、「主婦」を「パートタイム」で派遣することです。

低コストの主婦をパートタイムで派遣して時間の無駄を削り、派遣の人件費を大きく下げることで業績を伸ばしています。

大手が参入しそうですが、専務は「大手が本腰を入れてやるとは考えにくい」と述べたそうです。

理由は、大手がやるとしたら、収入源であるフルタイムでの派遣の売上が減ってしまうからだそうです。

このような戦場を選べば、大企業との直接競合を回避できます。

d.スイートスポットを選ぶ

バリューチェーン(「開発→製造→流通→販売」などの、ビジネスの一連の流れを言います。

店舗だと「仕入→在庫→陳列→販売」)の中で一番利益のある戦場を選ぶ方法です。

コピー機メーカーはコピー機ではなく その後のトナーやインクカートリッジの販売で稼いでいるのです。

逆に言えば、トナーなどの利益をコピー機の開発につぎ込んでいます。

しかし、戦場をトナーやインクカートリッジに絞った会社であれば、コピー機の開発が不要な分、コピー機メーカーの純正品より安い価格でも十分利益が出ます。

もちろん、コピー機メーカーは売上が減って困りますから、自社製品の利用を必死で促進するわけです。


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