スペシャルマーケティング

実戦で使えなければ机上の空論です。営業やマーケティングの現場は正に「戦場」です。

Customer 顧客ターゲットを決める

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(1)顧客セグメンテーションとターゲティング

お客様を分けていく手法が、セグメンテーションです。

その分けた顧客セグメントの中から、顧客を絞って「ここを狙っていく」というのがターゲティングです。

顧客を絞ると、必然的に狙い以外の顧客からの支持は得られない、得なくてもいいということになります。

逆に、「絞らない」ということは、全ての顧客の支持を得られないことに繋がります。

なぜなら、競合商品が豊富にあるからです。

30代男性ならその年代向けの本を買うでしょうし、20代女性ならその年代向けの本を買うでしょう(さらに、趣味・職業などで枝分かれしてきます)。

すると、「全年代向けの本」は誰にも売れないということになります。

「絞らない」ことは、「全ての顧客を捨てている」ことなのです。

モノが溢れている現代では「絞らないと全てを捨てる」か「絞って一部を捨てる」という選択肢しかありません。

ただ、「捨てる」といっても足蹴にするわけではなく、「指示されなくても構わない」ということです。

例えば、成人人口を性別(男・女)と年代(20代、30代、40代、50代、60代以上)で分けると10個のマスができます。

このマスがセグメントです。

セグメントの切り口

B to C(一般顧客向けのビジネス)であれば、切り口は次のようなものがあります。

  • 居住地域:大都市、中都市、小都市、農村など
  • 性別:男女
  • 年齢:10代、20代、30代など
  • 職業:会社員、学生、主婦、公務員など

これは「デモグラフィック」(人口統計的)といわれる切り口です。

「デモグラ」と略す場合もあります。

法人顧客対象の場合は、日本の会社vs外資系というセグメンテーションもできます。

しかし、消費者の嗜好が多様化している現代、このようなデモグラフィックだけでは消費者の嗜好は分かりません。

ライフスタイルなどによって消費行動が違うからです。

ライフスタイルセグメンテーション

同じ20代でも、ファッションに気を使い、流行の映画を見たり、旅行に行ったり、おしゃれなレストランで食事をすることが好きな人もいれば、家でお菓子や小物を作ったり、ガーデニングをするのが好きで服や流行に無頓着な人もいます。

このようなライフスタイルや価値観の異なる人たちを分類するのが、ライフスタイルセグメンテーションです。

例えば、

  • 流行の先端を追う層
  • 流行を後追いする層(フォロー層)
  • 流行に反逆するひねくれ者層
  • 全く気にしない無頓着層
  • こだわりはあるが、自分の好みを貫くマイペース層

ただ、このようなセグメンテーションを頭の中で行っても、このままでは使えません。

きちんと客観的に定義・分離する必要があります。

ディフュージョンモデル

この切り口は、流行の最先端にいる人から流行に流されない人までを5段階で分けるのが一般的です。

  • 革新者 リスクを背負って最初に買う人
  • 初期採択者 革新者の動向を見て、早めにトレンドに乗る人
  • 前期多数者 普及してきたタイミングで買う人
  • 後期多数者 ちょっと遅れて買う人
  • 遅滞者 最後の最後で買う、または買わない人

男性の茶髪も今でこそ一般的ですが、最初の方にやり始めて、一部からは憧れの目で、他の多数からは奇異の目で見られた人が革新者。

みんながやってから染めた人が後期多数者ということになります。

1人の人が全てにおいて革新者というわけではなく、例えば料理器具・料理家電においては初期採択者でも、テレビや洗濯機は壊れるまで買わないという場合もあります。

どの人たちをターゲットにするかによって、マーケティング戦略は異なります。

また、新商品なら革新者をターゲットにしますし、成長期にある商品なら前期多数者をターゲットにするなど、プロダクトライフサイクル上の位置によっても違います。

(2)セグメンテーションのポイント

客観的に分けられる

「流行の先端を行くライフスタイルを送る人」というセグメントを作ろうとしたとします。

しかし、これでは主観的に「この人は先端層」と分けることはできますが、客観的な分類はできません。

見る人、または時によって異なってしまいます。

ですから、「車を持っている」「月1回以上映画を見る」「外食を週3回以上する」「洋服を月5万円以上買う」という条件を満たす人たちを先端層と定義するのです。

このようなYes/NOで分けられる基準なら客観的で、分類しやすくなります。

市場性がある

素晴らしいセグメントがあっても、その絶対数・市場規模が小さすぎると、ビジネスが成り立ちません。

30代女性というセグメントには十分な数の潜在顧客がいても、「○○市○○町の1DKのアパートに1人で住む65歳の女性」では、大型店にとっては市場が小さすぎて利益が出ません。

利益が出るくらいの規模がないと、ターゲットする意味がありません。

細かく分けすぎない

あまりに細かく分けすぎても、複雑になりすぎ、管理できませんし、社内で意思統一を図ることも不可能です。

人間が管理できる数字は7といわれていますが、セグメントも7つぐらいに抑えるのが管理しやすくなるコツです。

再現しやすい

セグメンテーションは1回やって終わりではなく、お客様が変わる以上、定期的に行う必要があります。

ですから、再現しやすい、分かりやすい基準がいいのです。

セグメント間に差がある

例えば、70代男性と80代男性というセグメントに分けるとしても、両者に差がなければ分ける意味はありません。

同じような生活をし、同じような媒体に接し、同じような考えであれば分ける必要はありません。

到達できる

例えば「東京都渋谷区の居住者」というセグメントであれば、NTTの電話帳を調べてDMを出せます。

では、「週1回以上ラーメンを食べる人」では? そのようなリストはおそらく存在しませんから、届けることはできません。

セグメンテーションをしても、その人たちに到達する媒体がなければ、無意味になるのです。

(3)絞って絞ってナンバーワン

セグメントの選定基準は、「自分がナンバーワンになれるか」ということです。

仮に、あなたが蕎麦屋を経営しているとして、全ての面で日本一になるのは極めて困難ですが、搾り方によっては一番になれます。

顧客で絞るなら「シニア女性層の評価」、商品(メニュー)で絞るなら「月見そばのおいしさ」、地域で絞るなら「静岡県熱海市」で1番というように組み合わせていけば、「熱海市でシニア女性の評価ナンバーワン」くらいならできそうではないですか?(絞りすぎると、市場規模が小さくなりすぎますので注意)

ナンバーワンになるべき理由は、同じ土俵で戦っている場合、1位の方が圧倒的に有利だからです。

日本で1番高い山は富士山ということは小学生でも知っていますが、2番目は?

山梨県の北岳(3192m)と、すぐ答えられる人は少ないと思います。

このように、1位の会社・商品については、マスコミも取り上げ、ユーザーが口コミするなどで認知度が高くなり、消費者が頭の中でする位置づけ順位も高いのです。

これが2番目になると、大幅に低くなってしまいます。

さらに、「1位を選べば安心」という心理も働きます。

(4)あなたの強みを評価するセグメントを選ぶ

セグメントを選ぶ際の重要な基準が、あなたの強み(Strength)を評価する顧客を選ぶことです。

「スピード」が強みの商売で、時間に余裕があってスピードを評価しないセグメントを選んでも強みを活かせません。

セグメントを選ぶ基準として、「市場が大きい」「利益率が高い」などの外的要因に加え、必ず「自分が勝てる、強みを評価する」という基準を入れましょう。

あなたが奥さんと花屋を経営しているとして、ある駅の近くという戦場で、テナントに花屋が入っている大型スーパーに対して苦戦しているとします。

同じ品揃えで同じ価格なら、スーパーの方が何かと便利なので負けてしまいます。

幸い、奥さんが昔デパートで働いていて、贈答用のラッピングができるとしますと、「贈答用のラッピングができる」ことがあなたのマーケティング資産となります。

それを活かした強み・差別的ポイントとして、「ギフト用商品」の展開や「ギフト向きの高い花」という品揃えが考えられます。

こうなると当然Customer(顧客)も変わります。出産祝い・退院祝い、結婚式などが客層のメインになります。

近くに結婚式場や式場があるホテルなどがあればいいのですが、なければ十分な顧客数に届かないかもしれません。

であれば、法人顧客に営業に行くのです。

「結婚式新郎新婦やその家族に渡す花束ですが、ぜひうちの花束を使いませんか?」という提案をするのです。

ポイントは、ギフト用の花束を評価してくれる、そういうニーズがある顧客を探していくわけです。

宅配便と提携して遠隔地でも送れれば、インターネットでの展開もできます。

もちろん、HPはギフト用の特化した作りにしていきます。

このように、強みを活かした戦略をBASiCSで考えていくのです。

「うちはこのような顧客を狙う!」と、顧客ありきで考える場合は、その顧客が欲している強みを、逆にマーケティング資産として維持できるかを考えていきます。


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